花のまち 柴田。そう呼ばれるほどに四季折々の花に出会えるまち。
そして農村部の地域資源を生かし、田園風景や里山などの自然景観を守り、
そして再生することで農村と都市との交流を進めている柴田。

そんな柴田町に拠点を置く株式会社サカモト「坂元植林の家」を取材させていただきました。


 

株式会社サカモトの母体である坂元植林合資会社は明治41年に設立されました。
自然と向き合い林業を営み、「地域との共生」という言葉を理念に現在は林業だけでなく、
サカモトグループとして不動産事業や注文住宅事業、コンクリート事業などを手掛けています。

その中で今回は人と自然との共生を大切にした家づくりをしている「坂元植林の家」で手掛けた
モデルハウス「さとのえ」に訪問させていただきました。

200年以上にわたって植林を続けている坂元の森の一角に今回の新しいモデルハウスである
「さとのえ」は2023年4月に竣工されました。
創業110年を迎えた2018年より「地域の自然と人間の生活との関係に関する調査~成田プロジェクト」をスタートし、
建築家の山田貴宏さん、環境デザイナーの廣瀬俊介さんとともに調査を行い、
その成果を「さとのえ」の建物や敷地利用の設計に反映しています。

里の家。当地の周辺地域で「~~の家」のことを「~~のえ」と発語することから名付けられた「さとのえ」は、
まるで某アニメの世界かのような坂をのぼりつめた先に見えてきました。

敷地内にある二つの建物は、母屋とエネルギー棟。
エネルギー棟の中央通路を通って、母屋から紹介させていただきます。

取材当時12月初旬。外は肌寒い時期でしたが、まず中に入って思ったことは
あたたかい…ということでした。そのあたたかさが、言葉にするのは難しいのですが
ほわっと包まれるような、ホッとするようなそんな自然なあたたかさでした。

そのあたたかさを産み出している機能の一つとして。南側の縁側空間・大きな窓から入ってくる太陽の光があります。
また屋根にあたった太陽の熱を集めて室内(床下)に送る仕組みを備えていて、それにより冬の暖房負荷の一部を賄っているそうです。
このポッカポカな太陽を感じる縁側で寝そべりたくなってしまいました。

また土仕上げの壁は冬に太陽光を受けることで、
昼間の太陽熱を蓄熱し夜間にまであたたかさを持ち越すダイレクトゲイン方式を取り入れているそう。
土も稲わらも近くの現場から採ってきたものを利用し、まさに地産地消の家。

 

北側にもある縁側。建物の裏を作らないということをに配慮して、
北側でも人が活動できる場所として視覚的にも通風的にもつなぐことが大切と考えて縁側という居場所を用意。
外と中の中間領域として、大きく張り出した下屋根が雨や風、日射から守ってくれます。
サッシが戸袋にしまえるので、大開口に。

台所部分にあるペチカ。ペチカとはロシアや東欧などの寒さの厳しい地域で使われる伝統的な暖房設備で、
石やレンガで作られた大きな暖炉のようなもの。暖房効率が高く、家族が集まる場所としても重要な役割を果たします。

さとのえでのペチカは暖房としての機能だけでなく調理用の竈を兼用。
さとのえの暮らしにおいて火のエネルギーはなくてはならないもの。
そんな「ほのおのある暮らし」は囲炉裏・薪ストーブはある暮らしデザインコンテスト伊勢市長賞を受賞しています!

書斎も完備。デスクワークや本を読みながら移り行く季節を楽しめる視界に合わせた窓。
そしてお風呂にも外を眺められるような窓。
これだけ広大な土地ならばブラインドを上げて窓の外を眺めながらの入浴も良さそう。

二階は納戸。だがここもまた書斎や子供の勉強スペース、
自分たちがのんびりとおだやかに過ごす場所としても最適だと思いました。
私だったらここで、ゴロゴロしながら好きな音楽を聞いたり、本を読んだり…
そんな中で家族の声にも耳を澄ませながら、時折1階の様子を眺めながら過ごしたいなと。

さとのえは構造から内外装までの全用材が自社の山から伐採したもの。
自社の大工さんが手刻みで組み上げを行っています。
昔ながらの伝統技術を受け継いだ大工さんが、一本一本手作業で加工を行うことに手間と時間はかかってしまいますが、
それぞれの材が持つ特性をうまく生かしたり、美しく見せるための気配りができることや現場の状況に合わせて正確な調整を行うことができます。

棟梁を務める大工さんにとっては、木材の墨付けを始めてから建て方を終えるまで、
毎晩夢に出てくるくらいの責任を感じる大仕事ですが、その分想いがとても詰まった建物になるのだと思います。
大工の伝統技術の素晴らしさや美しさも感じるのもさとのえの魅力の一つです。

「さとのえ」に来て、感じたことの一つとして、どこの風景を切り取ってもひとつの絵になるということでした。
それが同じ景色ではなく、移り変わる季節を感じることができたり、木々たちの成長を感じることができたり。
それは住宅地では感じることができない、里山で自然とともに暮らしていくからこそ得られる唯一のものだと。

まだまださとのえについて書きたいので、今回第一弾として母屋の紹介をしました。
次回はエネルギー棟について紹介したいと思います。

さとのえが気になった!という方は是非坂元植林の家のHPをご覧ください!
https://www.sakamoto-shokurin.com/

また弊社youtubeにて設計士ガネポリンがさとのえを紹介しています。

合わせてご覧ください!